イロイロな心理学

”心理学”と一言でいっても、現在ではその分野は様々に分化しています。
しかし、心理学が人間の『心(こころ)』がどうなっているか、心の働きとそれに基づく人間の行動を探求する学問であることに変わりはありません。そこで今回はNLPと心理学の関係として、現在のイロイロな心理学についてご紹介していきたいと思います。

[様々な心理学]
まず現在の心理学は、科学的経験主義から観察・実験によって探求しようとする実験心理学と精神に不調を来した人々の理解および援助を指向する臨床心理学に大きく分けることが出来ます。

1.実験心理学と臨床心理学
実験心理学における代表的な心理学が、心を脳という情報処理装置と解釈する認知心理学です。他方、臨床心理学では、人文科学・哲学からアプローチする人間性心理学です。

2.哲学と心理学の関係
心理学は古代ギリシャのアリストテレスの時代の「哲学」から生まれたと云われています。しかし心理学が1つの独立した科学分野として分岐したのは、19世紀後半にドイツのヴィルヘルム・ヴントがライプチヒ大学にて心理学専門の研究室を構えた時だとされています。

3.構成主義と行動主義
当時の心理学は「心はいくつかの要素でなっている」という構成主義からスタートしましたが、その後、構成主義から有名なパブロフの条件反射の実験を使って、「心は全部条件反射で説明できる」という、行動主義の時代が訪れます。

4.現在の心理学
現在の心理学は実証主義がベースとなっており、現代の心理学はとにかく実証するということが中心的な考え方です。この実証主義も研究が進むうちに、脳と心の関係を考える心理学から、心のみに目を向ける心理学、その周りを取り巻くものに目を向ける心理学へと専門分野化が進んできています。

NLPはコミュニケーション心理学

NLPがコミュニケーション心理学の一分野であることは以前にもご紹介しました。
NLPは天才セラピストが自身のクライアントにセラピーを行う際のアプローチ方法を科学的に分析し、理論化・体系化したものがベースとなって発展を遂げています。

現在のNLPは第3世代NLPと呼ばれ、心理学としては異例の広がりを見せています。NLPはコミュニケーション心理学の一分野ですから、ビジネスはもちろん家庭内でのコミュニケーションにも応用が効くというのもその一因ではないかと思います。

さらにNLPは書籍などで独学で学ぶよりも、NLPセミナーやNLPワークショップなどで実践を想定した学習が効果的だとも云われています。NLPはコミュニケーション心理学、スキルのトリセツ(取扱説明書)のようなものですから、やはり習得には実践が必要だということではないでしょうか。

心理学やコミュニケーションスキルは、相手がいて初めて成り立つものです。人間相手の心理学ですから、机上の論理だけではなかなか身につかないんですね。そこで、NLPを学ぶためにはNLPセミナーを受けることが必要になるというわけです。

さらにNLPはコミュニケーション心理学という位置付けですから、日常生活やビジネスに好影響を齎してくれることも見逃せません。NLPは相手の心理はもちろん、自分の心理についても深い洞察力を身につけることが出来ますから、自分を客観的に見る、二人の関係を俯瞰的に見るという心理学的視点を手に入れることもできます。

改めてNLPとは?

今回は改めて基本に立ち返ってNLPについてご紹介したいと思います。
まず、NLPとは日本語で『神経言語プログラミング』となります。コミュニケーション心理学の一分野として知られ、現代最高のコミュニケーション理論体系ともいわれています。

いわゆる心理学テクニックを応用したものですから、日常生活からビジネスまでその応用範囲はどんどん広がってきています。心理学は難しいものという既成概念を打ち破ったとっつきやすい心理学テクニックもあるので、どなたでも学べる心理学の一つだと思います。

このNLPは、1970年代にアメリカ・カリフォルニア大学の若き天才、リチャード・パンドラーとジョン・グリンダーが、心理学と言語学、サイバネティクス理論やシステム論をベースに、「3人の天才セラピスト」のアプローチ手法を分析、体系化することによって開発されたという歴史を持ちます。

NLPは『言葉の使い方』や『ノンバーバル(非言語)の使い方』、そして、『無意識の活用の仕方』を科学的に分析、体系化し、実践的な方法論として成熟を重ね、広く一般に活用されるようになってきたコミュニケーション心理学です。

この他にも、心理学と呼ばれるものには、精神に不調を来した人々の理解および援助を指向する「臨床心理学」、科学的経験主義の立場から観察・実験によって探求を推し進めようとする「実験心理学」、心を脳という情報処理装置と解釈する「認知心理学」、人文科学・哲学からアプローチする「人間性心理学」などたくさんあります。

NLPセミナーでNLPと心理学

NLPはコミュニケーション心理学の位置分野ですから独学で学ぶよりも、NLPトレーナー主催のNLPセミナーを受講して学ぶのが一般的です。NLPはコミュニケーション・スキルのトリセツ(取扱説明書)のようなものですが、やはり習得には実地訓練や、自身で体験することが近道です。

しかし、NLP習得に心理学セラピーや心理学カウンセリングを個別に体験するというのは、費用的にも時間的にも難しいものがあります。そこで、NLPセミナー受講によって、少しでも実地訓練に近い体験をしていくのがNLPを学ぶ上での最良の方法だといえるわけです。

心理学テクニックや、コミュニケーションスキルは独学で本を読んだり、ペーパーテストを受けるだけではなかなか身についていかないものです。心理学やコミュニケーションは、相手となる人間がいて初めて成り立つものです。人間相手ですから、机上の論理だけでは理解しにくいということはおわかりいただけると思います。そこで、NLPを学ぶためには、NLPセミナーを受けることが必要になるというわけですね。

NLPは心理学、コミュニケーション、ビジネスなど幅広い分野での応用がされていますが、そうした際にもセミナーで学べる具体的な方法論やテクニックは欠かせません。頭では理解できても、それを実行するとなれば話は違ってきます。具体的な方法を知ることによって初めて身に付けることができるものなのです。NLPと心理学、奥の深いものですね。

身近な心理学~ハロー効果

NLPやNLPセミナー、心理学などというと『アカデミック過ぎて、一般の人には関係ないんじゃないの?』と思われる方も少なくありません。しかし、心理学は身近なところにもたくさんあるんですよ~。

そこで今回は身近な心理学として、『ハロー効果』をご紹介したいと思います。

「ハロー効果(Halo effect)」
ハローといっても、”こんにちは”のハロー(Hello)ではありません。ハロー効果のハロー(Halo)は、「後光が差す」というときの後光、聖像の光背や光輪のことです。

心理学におけるハロー効果とは、『ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと』(コトバンクより引用)です。つまり、後光が差すとまぶしくてしっかりと見ていられないということを比喩したもので、後光効果とか光背効果とも呼ばれます。

簡単な例で説明しましょう。

有名大学を卒業している人が社会に出てビジネスマンとしても優れているかどうかは本来関係ないことですが、実際に確認したわけでもないのに、優れたビジネスマンだと思ってしまう(評価する)ということがあります。

また、英語ができることと仕事ができることは本来関係ないことですが、英語のできる人を優れたビジネスマンだと思ってしまうというケースなどがこのハロー効果の例です。

他にも難関大学を卒業した人が、人格的にも優れていると思ってしまうなど本来関係ないことをイメージしてしまうというありがちな心理を表したものです。

NLPと心理学の関係~交流分析#1

心理学に興味を持っている方はご存知かもしれませんが、今回は『交流分析』についてご紹介しましょう。

交流分析(対話分析)とはTA(Transactional Analysis)と呼ばれ、アメリカの精神分析医エリック・バーン(Eric Berne)により1957年に開発され、人間行動に関する理論体系、コミュニケーション理論およびそれを応用した心理療法のことです。ちなみにエリック・バーン氏は精神分析の創始者であるフロイトの弟子でもあります。

交流分析の目的は……
1.自己理解
自己理解、自己コントロールを可能にし相手をより理解することができるようになること。

2.自律性
自分の思考・感情・態度・行動に責任を持てるようになること。

3.親密さ
温かく、率直な、誠実な人間関係を持てるようになること。

[自我状態の分析…PACモデル]
P(Parent;親のような自我状態)の自我状態は、身近な大人(親)の影響を取り入れた状態で、道徳的・批判的・偏見的な面(CP:Critical Parent;批判的P)と保護的・養育的で過干渉・おせっかいな面(NP:Nurturing Parent;保護的P)を持ちます。

A(Adult;成人のような自我状態)の自我状態は、成人としての状態で、現実を冷静に認識し構成力により主体的判断をする面とビジネスライクすぎたり冷たい感じの面を持ちます。

C(Child;子供のような自我状態)の自我状態は、子供時代の感情的体験や思考が再現されるような状態で、明るく・天真爛漫で自己中心的・わがままな面(FC:Free Child;自然なC)と従順・素直で消極的で依存的な面(AC:Adapted Child;順応のC)を持ちます。

NLPと心理学の関係~心理学の種類

そもそも論ですが、心理学とは何をするものなのでしょうか。今回は心理学にスポットを当ててみたいと思います。

一言でいうと、心理学とは「心」がどうなっているのか、心と呼ばれるものの様々な働きである心的過程と、それに基づく行動を探求する学問のことです。現在の心理学は、科学的経験主義から観察・実験によって探求しようとする『実験心理学』と精神に不調を来した人々の理解および援助を指向する『臨床心理学』に分けられます。実験心理学における代表的な心理学が、心を脳という情報処理装置と解釈する認知心理学です。一方、臨床心理学では、人文科学・哲学からアプローチする人間性心理学です。

心理学は古代ギリシャのアリストテレスの時代の「哲学」から生まれたと云われますが、心理学が1つの独立した科学分野として創成されたのは、19世紀後半にドイツのヴィルヘルム・ヴントがライプチヒ大学にて心理学専門の研究室を構えた時だとされます。当時の心理学は「心はいくつかの要素でなっている」という構成主義からスタートしています。

その後、構成主義から有名なパブロフの条件反射の実験を使って、「心は全部条件反射で説明できる」という、行動主義の時代が訪れます。

そして、現在の心理学は実証主義がベースとなっています。現代の心理学は、とにかく実証しよう、というのが中心的な考え方です。この実証主義も研究が進むうちに、脳と心の関係を考える心理学から、心のみに目を向ける心理学、その周りを取り巻くものに目を向ける心理学など細分化されています。

NLPと心理学の関係~フロイト

今回は心理学の勉強として、「フロイト」という人物を通して心理学を勉強していきましょう。
まず、フロイトの人となりですが、「ジークムント・フロイト」(1856~1939)は、オーストリアの精神分析学者です。彼の提唱した数々の理論は、のちに彼の弟子たちによって後世の精神医学や臨床心理学などの基礎となったのみならず、20世以降の文学・芸術・人間理解に広く甚大な影響を与えています。

フロイトは、人間の心理は正常か異常かを問わず一つの原理で動いており、人の行動には無意識的な要素が作用していると考えました。彼の「力動論」はエネルギー保存の法則を元にしているとも言われ、患者の症状は無意識に抑圧された内容の形を変えた表れであると考えました。しかし、フロイトの「性的一元論」は、彼の生きた時代の抑圧的な時代背景を考慮に入れて捉えなければならないでしょう。

しかし、フロイトが「精神の病理」という分野に大きなスポットライトを当てた業績は紛れも無い心理学の事実です。

彼の理論から、人間の無意識という分野や心理学の諸派が発生していったわけですから、心理学は彼無しでは成立しえなかったともいえます。少なくとも彼がいなければ、今のような心理学の発展は時期が遅れたか、別の形になっていたかもしれません。フロイトの「性的一元論」は、現代の心理学では違和感を感じることも少なくありませんが、人が意識しないところに人を動かす何かがあることを発見した功績はフロイトにあるのではないかと思います。